ごめんねは?

 今日は幼稚園で5月生まれのお誕生会があった。お祝いされる子の親は見に行くことができるので、今年もビデオ片手に行ってきた。月によっては外の広場で開かれたりするお誕生会も、5月は毎年ホールで行われている。でも、例年なら会場の後ろの方に親の席が用意されているのに、今年はなぜか無かった。「いったいどこに座ったらいいんだろう?」とうろうろしていたら、舞台に向かって左端の壁沿いに座って欲しいと言われた。なぜ、壁沿いに縦一列なんだろう? と不思議に思ったけれど、会が始まってみるとすぐに意味がわかった。お母さんたちでお祝いされる子どもたちが通るトンネルを作るためだった。わたしたちが作ったトンネルの中を通り、年少さんから順にステージに上がっていく。年少児は1人ずつ名前を呼ばれたら大きな声でお返事「は~い」。年中児は名前を呼ばれたら返事をし、自分の好きな食べ物を言う。そしてともぴーたち年長児は、自分で名前を言い、それぞれ好きな遊びを言うのだった。ともぴーの好きな遊びは「鉄棒」だそうだ(確かに、上手とは言いかねるけど好きかもしれない)。その後は、先生たちが楽しい人形劇を見せてくれた。ウサギのぴょんちゃんとその仲間たち(ゾウのぞうたん、さるのもんきち、ぶたのぶーすけ)が、ちょっとこわいけれどやさしいオオカミくんの誕生日を祝うためにケーキを作る。いちごを摘みに行き、一生懸命作ったケーキなのに、みんながちょっと目を離した隙に、オオカミくんがいちごやケーキを食べてしまった。ビックリするみんな。でも、オオカミくんとしては、わざとじゃないから悪いという気持ちがない。いつもはちっとも謝らないオオカミくんだけど、今日はみんなに謝ることができるかな? と言う話だった。いかにも幼稚園の人形劇という感じの内容なのだけど、子どもたちの盛り上がりはすごかったなあ。ヒーローショーでもこれほどの声援は聞いたことがない。オオカミくんが現れて、いちごやケーキを食べてしまいそうになると「ダメー、食べちゃダメー!」、オオカミくんがなかなか謝れずにいると「がんばれ、がんばれ!」と会場が割れんばかりだった。かわいかったよ、ホント。

 今日の人形劇の内容が、いつもは謝らないオオカミくんがお友だちに「ごめんね」と言えてよかったねというお話だったから、今日の絵本は「ごめんねともだち 」にしよう。オオカミとキツネが親友同士というあの「おれたちともだちシリーズ」の一冊だ。ダーツにけん玉、トランプと、2人で仲良く遊ぶつもりだったのに、負けてばかりで悔しいオオカミ。キツネに「インチキだ」と言いがかりを付けてしまう。オオカミとキツネの初めての大げんか。もちろん、オオカミはキツネがインチキしたなんて、本当は思っていない。そんなことをするやつじゃないって、一番わかっているのはオオカミなのだから。オオカミは仲直りがしたいのに、大事な一言がなかなか言えない。心の中でなら簡単に言えるのに。ごめんね、ごめん、ごめんなさい……こんな簡単な一言がどうしても言えないのだ。お互いのことが大好きで、とても悩む2人の姿。その2人を救ってくれたのは、たまたま通りかかった小さなアリだった。「ごめんなさい」という言葉がどんなに大切かをわからせてくれる素敵な作品だ。

 幼稚園のお誕生会も今年で3回目だけど、特に今年の人形劇は盛り上がっていたなあ。お誕生月の子だけでなく、会場の子みんなが本当に楽しそうだった。途中、オオカミくんに食べられかけたわたし。ビデオにはオオカミくんの口のどアップが写っていた。ハハハ……わたしも思いっきり楽しんでしまった。

ごめんねともだちBookごめんねともだち

著者:降矢 なな,内田 麟太郎
販売元:偕成社
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またな!

 桜の見頃もそろそろ終わりだと思い、パパとともぴーと一緒に墨俣の一夜城まで行ってみた。ところが、あまりに人と車が多すぎて車を駐められなかったので(正確に言うと、臨時駐車場もいっぱいで、1㎞以上離れた駐車場に誘導されることになったので)、花見はあきらめて、そこからほど近いアンヒルパークでともぴーを遊ばせることにした。アンヒルパークというのは、安八の総合運動公園内にある大きな公園。駐車料も入場料もかからないところが何ともありがたい。丘から滑り下りる長いローラースライダー、円盤状の回転遊具、ロープや網を使った遊具などがあり、年少の遠足で行って以来ともぴーのお気に入りの場所になっている。今日は天気がよく暖かかったこともあってか、たくさんの子どもたちが遊びに来ていた。ともぴーはこれまでにも何度も書いているとおり、初対面の子とでもすぐに仲良く遊ぶことができる。今日もたくさんの子たちと遊んできた。特に、今日は小学生の男の子が、自分の弟と一緒にともぴーたちの面倒を見て、おにごっこやかくれんぼなどをさせてくれていた。遊んでいる集団を見ていると、もともとの友だち同士という子はほとんどいなかったようで、男の子も女の子も小学生も幼稚園児も知らない子ばかりがたくさん集まって遊んでいたようだった。子どもばかりの中で遊んでいると、転んでも落っこちても泣かずにすぐ立ち上がって走り出すともぴー。わたしもパパも手持ちぶさただったけれど、なるべく手や口を出さないように遠くから見守っていた。でも、あまりにも長時間になってきたので、「そろそろ帰るよ」と声をかけることにした。すると、広い公園の中をともぴーがあっちこっち走り回ってなかなか捕まえられなくなった。その上、やっとのことで捕まえても「じゃあな! バイバイ!」と声をかけに行き、また遊びの輪に加わってしまう。そしてなかなか帰ってこなかった。そんなことを繰り返すこと3回。みんなが帰り始めるまであきらめられず、粘りに粘ったともぴーだった。帰りには「○○くんは××にくわしいんだよ」とか「△△くんは●●がうまいんだよ」なんて話をしてくれた。短い間だったのに、本当に友だちになっていたんだね。驚いた。

 知らない者同士がどんどん仲間に加わって、次々といろいろな遊びをする絵本がある。わたしが子どもの頃から読み継がれている「もりのなか 」という絵本だ。ぼくがらっぱをふきながら森の中を散歩していると、ライオン、ぞう、くまなどいろいろな動物たちがそれぞれいろいろな物を手にして仲間に加わってきた。長い行列になって森の中を練り歩く。森の奥に着いたぼくたちは、一緒にお菓子を食べ、一緒に遊ぶ。ロンドン橋やハンカチ落としを楽しんで最後はかくれんぼ。ぼくがおにになった。でも、「もういいかい」と言って周りを見回すと、動物たちの姿は見えなくなっていた。代わりに立っていたのは、ぼくを探しに来たお父さん。「きっとまた今度まで待っててくれるよ」とお父さんが言ったので、ぼくはおとうさんに肩車されて帰って行った。みんなを探すのは次の機会までおあずけ。黒いコンテだけで描かれた絵が、この絵本をより魅力的な物にしてくれている。

 兵庫県の実家に帰っていたときも、近所の公園で毎日遊ぶ友だちを作っていたともぴー。そのお友だちは大阪からおじいちゃんの家に春休みを利用して遊びに来ていた小学生の姉弟だった。「また明日ね!」と言って別れたのに、次の日にみぞれが降って遊べず、そのまま岐阜に帰ってきたことをともぴーは残念がっている。でも、あのお友だちは、きっとまた夏休みなどには会えるよ。お互いのおじいちゃんのうちが近所だからね。今日のお友だちはどうかな? また会えるといいね。

もりのなか Book もりのなか

著者:マリー・ホール・エッツ,まさき るりこ
販売元:福音館書店
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ふたりぼっち

 自分の子どもがいじめられていると知ったとき、親はどうしたらいいのだろう? しかも、いじめられているお友だちをかばって一緒にいじめられているという場合には……。

 実は、今年に入ってすぐの頃、同じクラスの女の子のお母さんからこんな話を聞かされていた。「先生が給食の後ちょっと席をはずしてるすきに、いつも4人の男の子が特定の男の子をいじめているんだって。それで、うちの子が『いい加減にやめなよ』って止めに入ったら、逆にいじめられちゃって」という話だった。ともぴーに「いじめられてる子っているの?」と確認してみたら、「う~ん、いるかも。でも、ぼくじゃないから心配しなくていいよ」という答だった。先生にその時点でお知らせしようかとも思ったけれど、いじめっ子4人もいじめられている方の子も名前がはっきりしなかったから、言うのをやめていた。でも、もしかしたらそれが間違いだったのかもしれない。今日、細かい話を聞いて気がついたのだけど、ともぴーはそのころから、急にある特定の子と遊び始めている。そう、ともぴーは、そのいじめられていた子とあえて遊び始めたのだ。おかげで、ともぴーは今、その子と一緒に仲間はずれにされている。2人ぼっちだ。お正月には年賀状をくれたような仲よしのお友だち2人も今やいじめる側の中心。最近ではほとんど口も聞いていないと言う。ともぴーは、その子たちが、自分と仲良くすると仲間はずれにされるから自分を仲間に入れてくれないのだと言うこともよく理解していた。そして、クラスの他の子たちが見て見ないふりしているのも、おひなさまの撮影の時、女の子が誰1人自分を相手として選んでくれなかったのも、そのことが原因だとわかっていた。それでも、自分がいじめられているその子と遊ばないと、その子がひとりぼっちになってしまうから一緒にいるのだと言っている。「ぼくは、あいつらのようなことは絶対にしない!」と正義の味方のようなことを言って強がっていた。ともぴーがしていることは正しいと思うし、親としてそういうことができる子に育ってくれたのはとてもうれしいのだけど、本人がどれだけ辛い思いをしているかを考えると辛い。親としてどうしてやったらいいのか悩んでしまった。とりあえず、今日、担任の先生への連絡ノートにそのことを書いた。先生の目を盗んでいじめをしているようだけど、その現場をつかんでもらわないことには先に進めない。幸いともぴーの幼稚園はマンモス園。あと1ヶ月もしたらクラス替えだから、この件を園が把握してくれていれば、少なくともクラスは分けてもらえるだろう。何とかそれまで耐えてくれたらいいのだけど……。幼稚園のいじめも今や小、中学校並みになってきたのか、ちょっと悲しい現状だ。

 というわけで、今日は、たった1人でも心から信じてくれる友だちがいれば、その人は幸せになれるという話、「きみはほんとうにステキだね (絵本の時間) 」という絵本を紹介しようと思う。その昔、暴れん坊で意地悪でずるくて自分勝手なティラノサウルスがいた。ある日、そのティラノサウルスが海に落っこちて死にかけるていると、エラスモサウルスが近づいてきて助けてくれた。海に住んでいるエラスモサウルスは、ティラノサウルスの名前とその悪行は知っているものの、目の前にいるのがティラノサウルスだとは気がついていない様子。ティラノサウルスは、嫌われたくない一心で、ウソを重ねてしまった。仲良くなった2匹は、毎日のように会い、友情を深めていく。穏やかなエラスモサウルスがティラノサウルスの心を少しずつ変えていった。ところが、そんなある日事件が起こった。海の乱暴者に、エラスモサウルスが大けがを負わされてしまったのだ。ティラノサウルスは泳げないのも忘れて、エラスモサウルスを助けようと海に飛び込んだ。そして、エラスモサウルスを抱きかかえると、自分の本当の姿を正直に告白した。ところが、それを聞いてもなお、エラスモサウルスは、ティラノサウルスのことを「やさしいステキな友だち」と言い続けてくれたのだった。エラスモサウルスのような友だちがいたらどんなに幸せだろうと思う。そして、自分が誰かのエラスモサウルスになれたら、それもまたステキなこと。友だちのあり方を真剣に考えさせられる一冊だ。

 ともぴーは、今、お友だちのエラスモサウルスになろうと必死に頑張っている。ともぴーのがんばりがくじけてしまわないように、家では思いっきり話を聞いて支えてやらなければと思っている。そして、思いっきり抱きしめて、「どこの誰が何と言ったって、お父さんとお母さんはともぴーのことが世界中の誰よりも一番好きなんだよ」と言ってやろうと思っている。

きみはほんとうにステキだね Book きみはほんとうにステキだね

著者:宮西 達也
販売元:ポプラ社
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2/28 : 皆様、ご心配おかけしました。今日、久しぶりに仲良しだったお友だちと話ができたらしく、ともぴーは明るい顔で帰って来ました。少しずつですが、周りにお友だちが戻ってきているようです。安心しました。 

3/1 : いじめにあっている子は1人ではなく、男女数人いるようだった。いじめも、まだ「口をきかない」「悪口を言う」といったレベルにとどまっている。とにかく、同じ子ばかりがずっとターゲットになっているわけではなかった。周りの子も気がついていなかったり、いじめと感じていない子がいたりで、一部はともぴーの思い込みもあったと思う。いじめる側のメンバーはある程度固定してしまっているものの、まだそれほど悪意を持ってやっているわけではなさそうなので、先生には、早いうちに、このような行動に出てしまう原因をつかんでみんなと仲良く遊べるようにしてあげて欲しいとお願いしておいた。

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コーヒーの香り

 今日は、突然の思いつきで、羽島のコーヒー屋「きゃら」さんを訪ねることにした。きゃらさんは、幼稚園で一緒に役員をやっているママ友だち。子どもの性別も年齢も違うのだけど、委員会の仕事が忙しかった時期には週3~4回の割合で会っていた。でも、きゃらさんのお子さんはもうすぐ卒園。もうすぐ会えなくなってしまう。「お店にコーヒーを飲みに行くよ」って約束していたのに、まだ行ってないなあ……。きゃらさんのブログを見ていたら、急に気になってしまい、「よーし、今から行こう」と家を出た。「お店が開いている日はほとんどいるよ」と言っていたから、アポ無しで向かう。新幹線の岐阜羽島駅までは何度も行っているけれど、その南側は道がよくわからないので、あらかじめパソコンで場所を調べておいた。それでも、きゃらさんのお店は大きな街道沿いではないし、本当に住宅街の中だから、見つけられるかどうかちょっと心配だった。ところが、鼻がコーヒーの香りを嗅ぎつけたのか、「だいたいこんなトコ」くらいの感覚でも行けてしまった。道を一本間違えて遠回りはしたけれど。

 店の作りは和風モダン。暖かく落ち着いた雰囲気のお店だ。お店に入ると、わたしを迎えてくれたのはきゃらさんのご両親だった。「きゃらさんは?」と尋ねると、隣にある自宅の方にいるとのこと。突然の訪問にも関わらず、わざわざ呼んで下さった。前の道は車通りが少ないし、場所もわかりにくいところだというのに、たくさんのお客さんが次々とやってくる。びっくりしていると、「今日は雨が降っているから、いつもよりお客さんが少ないんですよ」と教えてくれた。ということは、雨のおかげで、きゃらさんとゆっくり話をすることができたというわけだ。ありがとう、雨。

 今日は、きゃらさんと一緒にお昼ごはんを食べてきたから、友だちと一緒にお昼ごはんを食べる約束をした絵本を紹介することにしよう。「あらしのよるに」の続編、「あるはれたひに 」だ。真っ暗な小屋の中で、お互いの正体を知らないまま「明日、一緒にお昼ごはんを食べよう」と約束して別れたふたり。待ち合わせの場所に行き、合い言葉を言い合う。そして、相手の顔を見てみると……ナント、ふたりはオオカミとヤギだった。「友だちだけど、おいしそう」途中で弁当の包みを落としてしまったオオカミがつぶやく。食欲と友情、勝つのはどちらなのか。ドキドキさせる展開がたまらない絵本だ。

 きゃらさんのお店は「珈琲香房伽羅」。本当においしいコーヒーを飲みたいと言う人にお勧めだ。コーヒーだけでなく、人気のカレードリアまでごちそうして下さったきゃらさんのお父様、お母様、本当にありがとうございました! きゃらさん、卒園してもずっと友だちだよ~♪ 

あるはれたひに 大型版あらしのよるにシリーズ Book あるはれたひに 大型版あらしのよるにシリーズ

著者:あべ 弘士,きむら ゆういち
販売元:講談社
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ピアノつながり

 実家の父はピアノの調律師。ピアノの音律を整えたり、弾き手の好みに合った音色を作ったりしている。一般家庭のピアノも調律するけれど、父の場合、お客さんの大半がピアニストやピアノの先生。そんなお客さんの中には、わたしの友だちもいる。

 わたしが卒業した名古屋の高校には、普通科の他に音楽科がある。わたしは普通科、友だちは音楽科。彼女はピアノを専攻していた。科は違っても友だち同士だから、話をしているうちに「うちのお父さん、ピアノの調律師なんだよ」「えっ、そうなの? じゃあ、調律お願いできないかな」なんてことになってきた。そこで、父に頼んで彼女のところへ行ってもらったというのがそもそものきっかけだった。でも、その後、わたしが高校を卒業すると同時に、父は大阪へ転勤となった。そして数年後、ナント彼女も結婚して大阪へやって来たのだ。何とも言えない不思議な縁だ。現在、彼女は大阪でピアノの先生をしている。

 今回、わたしがともぴーと実家に帰ってきているのを知って、彼女は父に調律を依頼してくれた。「一緒に連れてきてくださいね」と父に注文をつけてくれたおかげで、今日、久しぶりに会うことができたのだ。前に会ったのはともぴーが生まれる前だったから、6年ぶりくらいになる。彼女の息子さんは小学校3年生。ブロックと本が大好きというとっても穏やかな子だ。ともぴーにはぴったりと波長が合う相手だったようで、放っておいても2人でずっと楽しそうに遊んでいた。帰ってきてからも、3匹のねことお兄ちゃんの話ばかり。グリコのミニ絵本を集めているところまで同じだったから、だぶったものを5冊も譲ってもらってきた。父は仕事で大変そうだったけれど、わたしは友だちとゆっくり話ができたし、ともぴーは楽しく遊ぶことができた。本当にありがたい1日だった。

 今日は、ピアノが出てくるすてきな絵本を紹介することにしよう。「オオカミくんはピアニスト 」という絵本だ。このお話に出てくるオオカミくんは、さらさらヘアでかっこいい。ムーミンに出てきたスナフキン(昔のアニメに出てきた方)のような感じで、凶暴そうなイメージはまったくない。ひとりぼっちでさみしいオオカミくんのところには、時折「ピアノを弾きに来てください」という手紙が届く。すると、その度にオオカミくんは重たいピアノを引きずりながら、遠くまで演奏をしに出かけていくのだ。すてきな音色にみんなはとても喜んでくれる。でも、お礼にもらうものはどれもオオカミくんにとっては役に立たないものばかり。それに、演奏が終わればまたひとりぼっちに戻ってしまう。それでも、みんなが喜んでくれたことを懐かしく思い出しては、次の依頼を待つオオカミくんだった。そんなある日、羊たちの前で演奏したオオカミくんに、みんなは喜んでセーターをプレゼントしてくれた。ところが、1匹が「オオカミはぼくたちを食べてしまう」と言い出したことをきっかけに、羊たちはみんな一目散に逃げていってしまった。また、1人残され孤独を味わうオオカミくん。それでも、オオカミくんはまた自分の演奏を聴きたいという手紙が届くのを待っているのだった。色彩がとてもきれいで、読んだ後にもすがすがしい余韻を感じられる絵本だ。全体的にもの悲しさは漂っているけれど、それも暗くいやな感じにはなっていない。オオカミくんがどんなにすてきな音楽を聴かせてくれるのか、わたしも依頼の手紙を送ってみたくなった。父の調律を付けるということで手を打ってもらえないかな……オオカミくん。

オオカミくんはピアニスト Book オオカミくんはピアニスト

著者:石田 真理
販売元:新風舎
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料理上手な友だち

 昨日、ともぴーをつれて、友だちのうちへ遊びに行った。わたしとパパを引き合わせてくれた友だちのところだ。彼女はとても料理好きでもてなし上手。それに、いつも仕事で忙しくしているのに、家の中はきちんと掃除が行き届いている。ともぴーのことにかこつけてさぼりまくっているわたしとは大違いで、毎度のことながら感心させられる。昨日は、ともぴーのためにオムライスとマカロニサラダ、ミックスジュースを作ってくれた。ソースはきのこ入りのトマトソース。以前は、「オムライスの皮」と言って卵をはがしながら食べていたともぴーも、今回はちゃんと卵とご飯を一緒にすくって食べていた。パパと同じ年なのに、うちとは違って、2人のお子さんは大学生。1人は地元から出て寮生活、もう1人はアルバイトの掛け持ちで忙しくしている。料理好きの彼女にとっては、ふだんの料理を食べてくれる人が減ったこと、これがいちばんさみしいことのようだった。

 絵本の世界にも彼女のような料理好きでもてなし上手なキャラクターがいる。ぐりぐらだ。登場するたびに、いろいろな料理を作っては仲間たちにふるまっていた。中でも、シリーズ最初の「ぐりとぐら (こどものとも傑作集) 」に出てきたカステラ。あれは何ともおいしそうだった。ある日、ぐりとぐらはクリやドングリを拾いに森にやって来た。「ぼくらの名前はぐりとぐら。この世でいちばん好きなのは、お料理すること、食べること。ぐりぐらぐりぐら」と歌いながら歩いていくと、地面の上に大きな卵が落ちていた。それを使って何かおいしいものを作ろうと考えた2匹。いろいろと考えた末、「朝から晩まで食べてもまだ残るぐらいの大きいカステラ」を焼くことにした。でも、その卵は大きすぎて持って帰れない。仕方がないから、道具や材料を持ってきて、その場で料理をすることにした。甘い匂いが辺り一面にたちこめる。おいしい匂いをかぎつけた森の仲間が次々とやって来た。「けちじゃないよ、ぐりとぐら。ごちそうするから待っててね」そう歌う2匹は、できあがったふわふわのカステラをみんなにふるまう。彼らは残ったカラもむだなく使う。何に使ったかは実際に読んで確かめてみてね。

 それにしても、ぐりとぐら。もう40年近くも人気者をつづけている。すごいなあ。昨日遊びに行った友だちも、「ぐりとぐらは捨てられないんだよね」と言っていた。もちろん、うちの本棚にもあの2匹は住んでいる。

ぐりとぐら Book ぐりとぐら

著者:おおむら ゆりこ,なかがわ りえこ
販売元:福音館書店
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ペンちゃん、ギンちゃん

 実家の押入れには、私の子供の頃のぬいぐるみがいくつかしまってある。その中でも、ともぴーのお気に入りは、ペンギンの「ペンちゃん」と「ギンちゃん」。私が高校1年のころ、「ペンちゃん」は弟から、「ギンちゃん」は当時の仲良しグループのみんなから、誕生日のプレゼントとしてもらったものだ。偶然にも同じペンギンのぬいぐるみをもらうことになったのだけど、同じものでもやはり微妙に違いがあって、目と目の間の幅とか、足の形とかでなんとなく見分けが付く。だから、名前をつけて区別していた。ずっと押入れの中で眠っていた2匹を、ともぴーが見つけ出したのは3歳のころ。それ以来、実家に行くと必ずペンちゃんギンちゃんを引っ張り出してくるようになった。

 ともぴーがなぜこのぬいぐるみがお気に入りかというと、「ペンちゃんギンちゃんおおきいのをつりたいね! (絵本のおもちゃばこ (7)) 」という絵本を持っているからだ。ペンちゃんとギンちゃんは大の仲良し。2匹がつりをしていると、ペンちゃんのつりざお、ギンちゃんのつりざおが交互にピクピクと動き出す。でも、毎回もうちょっとのところで逃げられてしまう。水面からちょびっとだけ見えた獲物が「大きかった」「いや小さかった」と意地を張り合う2匹。逃げられた方は「こんなすごいものがかかっていたんだよ」ととんでもない獲物を想像して言い返す。繰り返しが楽しいペンちゃんギンちゃんのつり。どんな獲物がかかったと言い合っているかは、実際の絵本を見てのお楽しみ。今、私のペンちゃんギンちゃんも、ともぴーのリクエストで、絵本と同じような帽子とつりざおを持ってつりに行っているところだ。大きいのをつって来れるかな?

ペンちゃんギンちゃんおおきいのをつりたいね! Book ペンちゃんギンちゃんおおきいのをつりたいね!

著者:宮西 達也
販売元:ポプラ社
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