こわいドン
昨晩は、えらい目にあった。ともぴーが夜中の12時頃「こわい夢見た! おばけ出た」と大泣きしてから、1時間毎に「こわいよー!何か音がする」なんて言って起こしてきたのだ。「大丈夫だよ、あれは虫の鳴き声だからね」なんて言ってやっても、汗びっしょりになってわたしにしがみついてくる。ともぴーのパジャマや下着を何ども着替えさせたのはもちろんだが、わたしの枕や布団までもが、ともぴーの汗と涙の被害にあってびしょぬれになってしまった。どうやら、昨日、グリコピアのガイドのお姉さんが、初代グリコマークの顔を「こわい顔」と表現したこと(「初めのころのはこわい顔をしていましたが、今のは優しい顔になっていますね」と言っていたこと)と、初めて迫力ある3D映像を見たことが原因らしい。初代グリコマークによく似たおばけが夢の中で迫ってきたそうだ。
今晩も、ついさっきまで寝かせつけるのに苦労していた。ともぴーのとなりで寝たふりをしていたら、枕ごとわたしの方に移動してきて、手をぎゅっと握って離さないのだ。今までこんなことがなかったからビックリした。ともぴーは、赤ちゃんの頃から、布団の上にポンと置くと数秒後には寝てしまっているというくらい、寝かせつけが楽な子だったから。まあ、今までのツケが回ってきたと思って、しばらくつきあってあげるしかないかもしれない。
今日、ともぴーは自らを「『こわいドン 』に出てくるぼくみたいになっちゃった」と言っていた。わたしもそう思う。だから、「こわいドン 」の話をしよう。ぼくはとても気の弱い男の子。誰もいないのに急に音がする冷蔵庫、突然みしっと鳴る階段、トイレの天井に浮かぶしみ、夜の暗い窓の外、どれもこれもみんなこわい。おかあさんは「気のせいだから、早く寝なさい」って言うけれど、布団を頭からすっぽりかぶっていてもこわかった。きっと、今ごろ布団のまわりはおばけでいっぱい、それがみんな合体して「こわいドン」になっているにちがいない、などとどんどん恐ろしい空想はふくらんでいく。ああどうしよう、どうしよう。そう思っただけで、ぼくは泣きたくなってくる。ぼくは、どうしようっていう気持ちでいっぱいになると、ないちゃうドンに変身してしまうのだ。大声で泣き出すぼく。すると、あまりの情けない泣き声に、こわいドンは耐えられなくなってバラバラになってしまった。「ようやく平和がおとずれた」とホッとしたぼくは、とっても疲れて寝てしまう。でも、よく見ると、寝ているぼくのまわりにはおばけがうじゃうじゃ。そんなオチまでついていた。
武田美穂さんの作品は、せりふが吹き出しに入っていたりしてマンガチック。従来の絵本とはギャップがあるために、なじめない人もいるようだ。でも、このお話に共感できる人は、結構いるんじゃないだろうか。わたしも天井のしみが気になって眠れなかった経験がある。でも、ともぴーがこのまま「よわいドン」になってしまったら困るなあ。せめて「こわいドン」をやっつけてしまった「ないちゃうドン」くらいではいて欲しい。明日はもうちょっとマシになってくれるかな……って、もう日付が変わっているじゃないか。おやすみなさい。
|
こわいドン 著者:武田 美穂 |
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)















最近のコメント